ε130D主鏡洗浄、光軸調整(分解~洗浄編)

再びコロナの猛威が心配になってきましたね。また強い自粛要請までならなければいいのですが・・夜遊びは控えたほうがいいですね。

今日は、前回宣言していたε130Dの分解清掃です。まあ長いので2回に分けてUpします。
私のε130Dは、以前に改造していますのでその内容も合わせて紹介します

まづは、分解からです。
①鏡筒バンド等、余分なものは外しておきます。外さなくてもできますが鏡筒も意外と汚れています。
黒いホースは乾燥空気のホースです。

②外すとこんな感じです。補正レンズも外しちゃったほうがいいですね。
鏡筒バンド外し.jpg
③④斜鏡を外したいところですがスパイダーは鏡筒、トップリングと共締めされています。今回はスパイダーのセンター出しはやりたくないので外さないでやります。
斜鏡外しは後回し、主鏡を外して行きます。
斜鏡_トップリング.jpg
⑤主鏡セルを外すための取っ手を付けます。M5のナベ頭ビスが付いていますので十字ドライバーで外します。望遠鏡に付属していたビス(M5)を取り付けます。私は無くしてしまったので他のネジですが何でもいいです。締め込む必要はありません。
ここで、位置をマーキングしておくと組み立てたときのズレが少ないです。

⑥光軸調整の引きネジ(大きいほうのキャップネジ3本)を抜き取ります。押しネジ(小さいネジ6本)は動かさなければ組み立てたときのズレが少ないです。(工具は4mmヘックスキーを使います)

⑦エンドリングに付いているイモネジを緩めます。これを緩めると主鏡セルは外れますので養生テープとか貼って突然外れるのを防いだほうがいいですね。ネジの場所は上記、引きネジの側面です。少し緩めるだけで主鏡セルがガクガクです。
取り付けた取っ手のネジを持ってまっすぐ引き抜くと主鏡セルが抜けます。主鏡のヘリをぶつけない様に抜き取ります。
この後バラしますので清潔な安定した場所に一時保管してください。
主鏡セル.jpg
⑧斜鏡を外して行きます。主鏡側には今、何もないはずなので主鏡側に抜き取って行きます。水平な安定した場所で行います。斜鏡調整ノブのうち中心の大きいノブを緩めます。これが引きネジです。もしもキツくて緩まない場合は押しネジを少しだけ(10°位)緩めます。マイナスドライバーを掛けると簡単です。緩めた場合は他の押しネジも同じ角度だけ緩めます。(組んだ時、合わせる量が少なくなるように)

⑨引きネジを抜いたら注意しながら鏡筒内に置きます。主鏡側から手を入れて持ち替えて取り出します。(鏡筒内に当てない様に注意します)
抜いた斜鏡セルはこの通り、植毛紙が貼ってあります。これ以上は分解できないのでこのまま洗浄します。引きネジについている白いものはハンドルナットという物で5個重ねてあります。ここにグリースが付いていますのでそれがほかのところに移ったりするのを防いでいます。
普通のナットでも養生テープ等でもいいと思います。
斜鏡外し.jpg

⑩主鏡を主鏡セルから外して行きます。黄色い矢印のビスを外して行きますが、このネジは主鏡圧迫に影響しますので締め具合を確認しておきます。無抵抗に締めて止まったところから僅かに締める程度です。抑えているだけというイメージです。
 私のε130Dは主鏡マスクを着けています。押さえツメが見えない様に円形にマスクしてあります。輝星の星像に影響があります。
主鏡セル_取外し.jpg
⑪ネジを外すとこんな感じで主鏡を横から押すネジがあります。次の作業で主鏡が外れますのでマーキングしておいてください。(主鏡は洗うのでマジックペンとかで側面にマーキングしておきます。

⑫側面に主鏡押えネジがあります。ここも主鏡圧迫に影響のあるネジです。
緩める前に主鏡側面を持って動かしてみます。(特に回転方向)動かない様になっているといますが僅かに緩めると動くようになります。この感覚を覚えておきます。
3本緩めれば主鏡を抜き取ることが出来ます。
主鏡セル_側面.jpg

⑬洗浄には次の物を使います。仕上げ用の精製水、薬局で100円~200円位です。

⑭中性洗剤です。私は”ナテラ”を使っています。食器用洗剤の中には水切れや艶出しのためにシリコンが入っているものがありますが、どうなんでしょうか?私は使ったことがないです。

洗剤.jpg

⑮洗います。注意点は、最初に流水で大きなごみやほこりを十分落とします。自分の手もよく洗っておきます。
おすすめは、ぬるま湯を使うことです。汚れ落ちもありますが、水で洗うと洗い終わった後に結露します。35℃程度が良いですね。

水洗いが終わったら洗剤で本洗浄です。手のひらに中性洗剤を垂らして(少しでOK)泡立てた後に鏡面を手のひらの一番柔らかい部分で軽くこすります。摩擦が少ないように、摩擦が大きいようであれば水を足します。

長くこすり続けないで、不足なら2回洗いします。その後、十分に水洗いします。仕上げに精製水を掛けます。自分の指も洗い流すように掛けます。使用量は300~500ccぐらいでしょうか。たっぷりかけます。精製水は不純物が入っていないので乾いた後に水跡が出来ません。
終わったら、エアーブロア(レンズのほこりを払うシュポシュポ)で大きな水滴を払って安定した埃の付きにくい場所で乾燥させます。
斜めに立てかけて乾かすと紹介していることもありますがあまりお勧めしません。倒して事故になる可能性が高いです。

決してティッシュ等で水滴を拭わないでください。傷になります。
水滴は残っていても水跡は出来ません。ブロアで吹き飛ばすのは乾燥を早めたいからだけです。

斜鏡も同じように洗いますがセルが付いているので上のほうまで水や洗剤が掛からない様に左手でガードしながら洗います。
こちらも安定した場所で乾燥させます

洗浄中.jpg

スパイダーマスクを紹介しておきます。スパイダーを隠すように黒いマスクを着けています。筆塗りでつや消し黒を塗ってあるのでまっすぐに見えないかもしれませんがまっすぐです。スパイダーに内面から両面テープで貼ってあります。
スパイダーマスク.JPG

なんというタイミングか、今月の天文ガイド2020年8月号のT.G Factoryで反射系の開口部の影響を紹介していました。61ページ図25の状態を改善するのがスパイダーマスクです。効果は絶大です。下記に使用前後の写真を載せます(使用後の写真はテスト撮影のためちょっと色調おかしいです)先割れしていた光芒が収まります。スパイダーの直交性をマスクでカバーする手法です。
同じページの図28は主鏡マスクの説明です。
すばる_スパイダー割れ.jpg
どうせ、主鏡斜鏡を外すのならこんな改造もおすすめです。

後半へ続く・・